突然ですが「エリートビジネスマン」であれば誰しもが一度はMBA留学しようか?と考えるのではないでしょうか。
アメリカの壮大なキャンパスで、世界から集まる能力・起業家精神溢れる学生たちとの2年間なんてワクワクしかしませんよね。


私の総合商社勤務時代の優秀な先輩方もMBA留学するためにたくさんの人がアメリカへ旅立って行きました。
この記事を読んでいるあなたはMBA留学なんて勿論理解していて、寧ろ日本に帰国を前にして悩んでるからこの記事に辿り着いたんだYO!
と思っているかもしれません。
真実の話をすると、私のMBAに行った先輩方は10人ほど留学して、帰国を前にすでに6人が退職しています。6割ですね。
今回はその6割の人の総合商社を退職した理由について実際に本人に聞いてきましたので悩んでいる方は参考にしていただければと思います。
最初にMBAについても一応簡単な説明をしておきましょう。
「そんなもんは知ってるわボケ」という人はスクロールして飛ばしてください。
Contents
MBAとは
まずは概要です。
MBA = Master of Business Administration
経営学修士(けいえいがくしゅうし)、Master of Business Administration(MBA)とは、経営学を修めたものに対して授与されることのある専門職学位である。
英米圏においては実務経験(AMBAは3年と規定)を有する社会人を対象としたマネジメントプログラムを提供するビジネススクール(経営大学院)、日本においては大学院(修士課程または専門職学位課程)が、これを授与する。
日本では、文部科学省による専門職大学院制度の新設に基づく専門職学位課程によるものと、従来の修士課程によるものとの二通りがあるが、両者とも「日本版MBA」と呼ばれることが多い。なお、前者の専門職学位課程では一般的に、経営管理修士(専門職)という表記が、後者の大学院修士課程で授与されるものは修士(経営学)と表記される。また、1991年(平成3年)以前の大学院修士課程においては、経営学修士という名称が用いられていた。
引用:経営学修士
MBA留学とはつまり経営学を専攻とし、大学院で2年ほどお勉強をしますというものですね。

ビジネススクール世界中にいくつもありますが、以下が最新の世界ランキングです。
フィナンシャルタイムズ社とエコノミスト社の両社の順位は異なりますが、
これはフィナンシャルタイムズ社が卒業後の給料を元にランキングを作成しているからのようです。
(ファイナンシャル・タイムズ)出所:Financial Times Global MBA Ranking 2017
順位 | ビジネススクール名 | 所在国 |
---|---|---|
1 | インシアド(INSEAD) | フランス/シンガポール |
2 | スタンフォードGSB | アメリカ |
3 | ペンシルベニア大学 ウォートン | アメリカ |
4 | ハーバード・ビジネス・スクール | アメリカ |
5 | ケンブリッジ大学 ジャッジ | イギリス |
6 | ロンドンビジネススクール | イギリス |
7 | コロンビアビジネススクール | アメリカ |
8 | IEビジネススクール | スペイン |
9 | シカゴ大学 ブース | アメリカ |
10 | IESEビジネススクール | スペイン |
(エコノミスト 2016年版)出所:Economist 2016 MBA & Business School Rankings
順位 | ビジネススクール名 | 所在国 |
---|---|---|
1 | シカゴ大学 ブース | アメリカ |
2 | ノースウェスタン大学 ケロッグ | アメリカ |
3 | ヴァージニア大学 ダーデン | アメリカ |
4 | ハーバード・ビジネススクール | アメリカ |
5 | スタンフォードGSB | アメリカ |
6 | ダートマス大学 タック | アメリカ |
7 | カリフォルニア大学バークレー校 ハース | アメリカ |
8 | IESEビジネススクール | スペイン |
9 | HEC(アッシュ・ウ・セ) パリ | フランス |
10 | クイーンズランド大学ビジネススクール | オーストラリア |
引用:【2017年最新版】海外MBAランキング!どのビジネススクールを選ぶ!?
ハーバード・ビジネススクール(HBS)やスタンフォードGSBは誰もが憧れるトップスクールとして有名ですよね。
なんかかっけえ・・・。
ヨーロッパにもビジネススクールはありますがこちらはアメリカのビジネススクールに合格しなかった人達が仕方なく行く留学先である、とマウンティングが繰り広げられるそうです。
個人的には、学ぶ目的次第な気もしますがよくわからん世界です。
フランスのINSEADは最近注目されていますね。
相変わらず動画紹介がかっこいい。
これは商社の先輩から直に聞いた話ですがこのMBA留学、
アメリカの大学院であれば学費と生活費(独身前提)を合わせて考えると2年間で1,000万円を超える費用が掛かるそうなのです。
海外滞在期間で8桁の金額が掛かるなんて・・・。

まぁこれはHBS(ハーバード)など高額な方で、他地域は場所にによりけりとのこと。
しかし、これは私自身が一度MBAを検討した時に計算した費用なんですが、そもそもMBA行く前に受験対策費用(英語、面接、GMATなど)、
留学先大学視察、留学渡航旅費などでプラスで100万円〜200万円マジで掛かるので、考えるだけで気が遠くなります。

私費(自分のお金)でMBAなんてよっぽどの情熱があり、それ以降のキャリアが跳ねる見込みがないとなかなかチャレンジはできないでしょう。(実家が太い人は親に借りて行ってたけど)
奨学金や保証人を立てて金融機関から借りたり、親族からお金を集めればなんとかなるっちゃなりますが、考えただけで私はMBAへの情熱がなくなりました。
それなりの学費を払ったリターンが本当にあるのか、という点があまり納得のいくものではなかったことにも起因します。
ちなみに、私がMBAに初めて興味を持ったのは、「古賀洋吉さん」という明治大学→アクセンチュア→HBS→複数の職歴を経て現在あるスタートアップCEOの方の影響でした。
経営しているDrivemodeという会社のシリーズA($6.5M / 7.2億円)の資金調達を発表し、今も動向を個人的にみています。
「明治大学初のハーバードMBA卒」というネタは日本国内で死ぬまで使えそうです。

うん、こんな人になりたい。
さて、散々金銭面のことばかり文句を言ってしまいましたが、
日系大企業に勤めている人であれば、ビジネススクールへの派遣があり、学費や生活費を負担してくれるという神がかったような福利厚生がある場合がありますよね。
長い前置きになってしまいました。
今回は僕が勤めていた総合商社で福利厚生を利用しMBAに挑戦し、
会社を帰国と同時に辞めた人のお話です。

MBAを取った人は派遣元の会社を辞めがち?
大前提として、会社の福利厚生でMBA留学の費用を負担して貰った場合、
ほぼ確実に派遣元の会社に5年や7年縛りで在籍し続けないと「全額返せ」のような「罰金」があります。渡航する前に誓約書、書かされていますよね?

従い、会社の福利厚生でMBAに行った人達は「基本的には」その期間が終わるまでの間、会社を辞めません。
しかし、どうも周りを見ていると様子がおかしいんです。
社費でMBAに行かせて貰ったのに、帰国と同時に退職してしまう人がとても多いんです。

例えば以下の記事のような人ですね。
会社の海外大学院留学制度に応募し、某ビジネススクールに留学した35歳です。卒業して半年が経ちました。
私の会社では、会社の指定先大学へ留学した場合、学費・渡航費・生活費等はすべて会社が負担してくれるのですが、卒業後5年以内に自己都合で転職すると留学資金を全額返金する決まりがあります。
私もそのような内容の誓約書に署名した上で、留学をしました。
卒業して会社に帰任してみて、現在の会社や職務では思い描いていたような仕事ができないと感じてしまいました。
会社へ申請はしているものの、希望の部署への異動も叶いそうになく、転職をしたいと考えています。
参考:社費でMBA留学をするも転職を希望…スムーズな転職と留学資金の返済計画とは?
「これ、人道的に許されるの?」
「少額ではない罰金を払ってまで辞めてしまうのか?」
とも思ったのですが、実際にMBAに行って帰国前に会社を辞め、起業した人の話を聞いたら納得してしまいました。
今回はその先輩方の話の内容について書いていきたいと思います。
以下は先輩の話のポイントです。
- MBAに行く前は会社に戻って貢献しようと基本的にみんな思っている。
- MBAでマネジメントを学んでも会社に戻ったら役職的に権限がなく、仕事のスピードが遅くて耐えられなくなる。
- 自分の力を発揮できず、理想とのギャップに苦しむくらいなら罰金を払ってでも退職したいという本音。
- MBAで事業パートナーとの出会い、築いたコネクションがあるので今すぐに自分でビジネスがしたくなってしまう。
- 派遣した日系大企業はMBAから帰国した人の待遇は考え直すべきでは。
MBA帰国後に学びを活かせる環境が職場(主に日系企業)に整っていないという問題点〜留学費用返還してでも自分の人生を歩む〜
まず、MBAに行きたいと言う人には以下のような動機がメインでしょう。
- マネジメントサイドの知識の修得
- 国境を越えての人脈作り
- ファンクションの知識も修得(財務部、人事部、マーケティング)
- キャリアチェンジのきっかけ作り
- ビジネススクール出身の箔が付く
- 給与アップ
これらの動機を基に、2年間のMBA留学で様々なバックグラウンドを持った世界のエリート層の人たちと切磋琢磨することになります。

私の前職(総合商社)の先輩の話に戻りましょう。
総合商社社員の先輩のMBAに行く動機は簡単に言えば、
「社内でプロジェクトを主導できる知識、意思決定能力の獲得、加えて世界のエリートと切磋琢磨したい」
でした。
そして社内試験にあっさり合格し意気揚々と社費で米国へ旅立って行きました。

しかし、MBA課程を無事終了し、最近日本には帰国したものの、
「会社を辞めて」
「起業した」
と言うのです。

先輩は言いました。
と上記のようにフラストレーションをかなり溜めていたようです。
そのタイミングで、やりたいと思える事業も思いついていて、
同じビジネススクールに通っていた日本人のMBA同級生が日本で一緒に事業立ち上げを手伝ってくれるという話になり、
自然と退職を考えるようになったそうです。
これが先輩の言葉でした。なんかかっこいい。


それはそうだな、と私も思いますし先輩の目は本気(マジ)でした。
企業派遣でマネジメントを学ばせて、
外の世界を見せてしまったことで一人の優秀な社員を会社は失ってしまうことになりますね。
最近は外資の投資銀行とかコンサルが会社への留学の返還費用を転職することを前提に払ってくれるところもあるみたいですよ。(最近では結構常識になりつつある)


そういえば総合商社の中には人事がMBA系のイベント来てるとこあるんだよな。話聞いてみると「特にMBA用のトラックがあるわけではなく、待遇も同じ年次の社員と同じです」とか言ってて採用への本気が微塵も感じられないんだけど。
— トミオ(83kgくらい) (@tomyuo) 2017年8月11日
商社でも社費でMBA留学するなら数年間はやめられない、辞めるなら会社が負担した留学費用を返還するって契約を会社と結ぶケースが多い。そして商社出身のMBA取得者を狙い撃ちにするように外資系企業が、転職したら留学費用負担するよって感じで声かけるケースがあるとか。
— Kotaro Higuchi (@happytarou0228) 2017年1月30日
検索するとこの類の話をされているブログの多いこと多いこと。
みんな悩んでるんですね。
まずは良い話から入りたい。まず大前提として、様々な意味ですごく良い会社だと思うし、新卒で8年間働いたことを全く後悔していない。前職での経験や蓄積があったからこそ自分はいま留学できているのだと確信している。日本企業の中では最高レベルの給料だし、終身雇用だし、社会的ステータスはハンパないし、海外駐在の機会もあるし、合コンに行けばモテる。そんな世間のイメージはその通りだと思う。では実際に8年働いて良かったことは何か?そして自分は何を身につけたのだろう?
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・ 終身雇用のデメリット。入社した頃から8年間ずっと変わらず思っていたことは、この会社で偉くなることを目標に残りのキャリアをコツコツ積み上げていくことにあまり魅力を感じないということ。一つの会社で定年まで勤め上げるのはすごいことだが、私は残りのキャリア30年間をそこに捧げることがエキサイティングであるとは思わず、一度の人生、もっと刺激的な外の世界にチャレンジしてもよいのではないかと思った。そしてもっと言えば、終身雇用の場合のほうが、むしろ失敗のツケは大きいのではないだろうか。クビになることはないが、一度レールから外されてしまうとあとは一生日陰で定年を待つということになる。そういう存在の社員は見ればすぐにわかるので、若手からもナメられ全く相手にされない。何を言っても誰も聞いてくれない、自分のやりたいことなどなにもできない。一度の人生で、ましてや態々MBAまでとって、そんなキャリアは寂しすぎる。
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「このままでは甘ったれになってしまう」〜大手商社を辞めて踏み出す
MBA留学で高め合える同級生、事業パートナーとの出会い
先輩自身は起業を選択しましたが、実際は総合商社社員でも意外にもキャリアアップを目的にMBAをとる人が多いそうです。
日本人は特に事業会社、大手メーカー、商社などからMBAに来てその後に外資投資銀行や外資コンサルなどに移るそうです。
一気に年収アップですね。(外資コンサルはそこまで上がりませんが、ハブキャリアとしての機能が凄まじい)
コンサルにはもっと早いスピード感でキャリアを上がっていきたいという人もいます。
MBAを取得すると長期に亘って「箔」がつくそうです。
MBA留学は様々な国から特殊なバックグラウンドを持つ人も多く、授業も毎回活発な議論になるとのこと。
授業期間に学校で出会った同級生と現地で起業してしまう人もいて、刺激をたくさん貰える、もっと自分を高めなければと思う環境にあるらしく、
自分の会社の職場に戻って仕事する自分が想像できなくなるのがMBAだと断言していました。
時間は有限、日系企業に戻っても出世でメリットもなし

上記は一人のMBA留学した先輩の話ですが、実際に会社を辞めてビジネススクールに私費で行っている僕の友人も何人かいます。
彼らの発言に共通するのが、このまま会社に残って重要な役職に就くのを待っていたら自分の成すべき事業を立ち上げるには時間が掛かりすぎる、
とのことでした。時間軸の問題ですね。彼らは会社を辞めてからMBAに行った人達ですが、
結局は社費で行った社員も留学中に同様の思考になってしまうのだそう。
日本で詰め込み型の教育を受けた人間は、誰もが積極的に発言する環境に慣れるまでが大変です。MBA留学ではゼロからの発想が求められる。たとえ何も知らないことでも発言できるといった能力を持つ人たちが評価されるんです。日本人だとディスカッションの場でも阿吽の呼吸みたいなのがあるじゃないですか。それがまったくない。全部自分のところに持っていこうとする。
MBAから帰ってきて、少し経ってから新たな職場を見つけようという人はこぞって【BIZREACH】を使って転職活動をしています。
最近はex商社、そのまた逆も然りと総合商社社員の転職に圧倒的な強みをもつエージェントさんが揃っています。
エージェントさんも商社マンを転職成功させたら報酬も高いですし、優秀な人材を紹介したら総合商社からも高い報酬がもらえるので、みんな必死です。
私もかなりビズリーチを通して転職先は検討してきたのでわかりますが、転職エージェントさんは企業の書類選考、一次面接を免除にしてくれるコネクションを持っている人がたくさんいます。
総合商社×MBAの人の転職も積極的に相談に乗るエージェントさんも多く、海外にいるMBAの方とスカイプで面談をよくするそうです。
基本的にはMBAの人はインターンなどを受けて、
そこでオファーをもらい働く場合が多いらしいのですが、
志望してインターンを受けたものの、帰国を前に、やはり違う、と日本の転職エージェントさんに相談するケースがあるようです。
困った時の、「ビズリーチ」ですね。簡単に経歴書だけ登録しておいて、転職市場を眺めるだけでも価値があると思います。
MBAの学費を肩代わりしてくれるように言ってくれるエージェントさんもいるみたいですね。
言い出しづらいことなのでそれは助かるかと。
さらに、ビズリーチが優れているのは間違い無いのですが、転職エージェントを見極めるのもそれなりに労力がかかるのが現実です。
また、そもそも転職エージェントを選ぶ時間がない、という方は、私の信頼できる友人も在籍しており、大手企業社員目線で相談ができる「Enigol」(某最大手人材会社、総合商社出身者がエージェントを担当)がおすすめです。

直接問い合わせてみましょう。MBBを始めとしたコンサル転職に強みを持っていますし、人材業界経験も長いことから、各業界知識に精通しています。
東大卒の総合商社出身者、最大手人材企業など大企業出身者が担当者ですので、大手出身者のキャリアの悩みを理解しており、ザックばらんに話を聞いてみて、エージェントと、二人三脚でキャリアのステージを上げていきましょう。
大企業としては、将来会社の幹部、経営者になってもらうべくビジネススクールに派遣するのですが、
実際に留学した社員は皆「会社に戻って無駄な時間を過ごしたくない」という思考になってしまうんですね。
私自身、大企業では権限が貰えるのに何年も掛かるので待っていられないと別記事で言及しているのですが、
ビジネススクールに留学する人たちも同じ思考のようです。
企業サイドはMBAから帰ってきた社員は飛び級で昇格とか何か対策を早く打たないと、人材流出は止められそうにありませんね。
最近、まさかのMBAユーチューバーが誕生していました。
彼はカリフォルニア大学バークレー校 ハース・スクール・オブ・ビジネス(Haas)に留学していたようですね。
これからMBAを考える人は参考になるのでは?
以上、[日系大企業の失敗]エリートの退職が止まらない?MBA取得・社費(補助)留学後に転職・起業で会社を辞める理由とは。留学費用返還してでも自分の人生を歩む!…でした!
👉👉👉 最短距離で転職オファーGet・大手企業社員目線で相談ができる「Enigol」(MBBを始めとしたコンサルに強み)
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